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2020年10月30日(金)世界キツネザルの日(World Lemur Day)!

10月最後の金曜日は「世界キツネザルの日(World Lemur Day)」です!

IUCN(世界自然保護連合)霊長類専門家グループによる,マダガスカルプロジェクト「Lemur Conservation Network」はキツネザルについて多くの人に知ってもらい,その保全を進めるために「世界キツネザルの日」を定めています。

なぜなら,キツネザルは原始的なサルの仲間で,100種以上もいると言われていますが,
その多くが絶滅危惧種だからです。

キツネザルの生息地はマダガスカル島で,日本の国土面積の約1.6倍の広さを持つ,世界で4番目に大きな島です。
島内の生態系を構成する生物種が独特の進化をとげており,生物多様性にとって重要な場所となっています。
キツネザルたちが食べた種子は消化されずに糞にそのまま出てくることもあり,そこから発芽することもあるため,生物多様性に重要な役割を果たしています。

そんなマダガスカル島の自然が人の活動によって失われつつあり,
80~90%もの自然が失われたという説さえあります。
生息地の減少はキツネザルたちの個体数の減少を招き,
さらに生息地の減少へつながっていきます。

そんなキツネザルたちの現状に目に向けよう!絶滅から守ろう!ということから,
「世界キツネザルの日」が定められたのです。

京都市動物園にはワオキツネザルというキツネザルがいます。

「輪」の「尾」を持つキツネのような顔のサルということでワオキツネザルです。
長い尾は言うまでもない特徴ですが,日向ぼっこをする姿もかわいいです。


そんなワオキツネザルもIUCNのレッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。

直接,キツネザルたちの絶滅を防ぐためにできることは少ないかもしれませんが,
第一歩として,キツネザルたちに興味を持っていただけたら嬉しいです。

ぜひ,かわいいワオキツネザルに会いにきてください!

ワオキツネザル担当:櫻井ひかり