飼育員ブログブログ
2020年10月5日(月)ゴリラについての質問への回答 第2弾
今回は2番目に質問の多かった,ゴリラたちの夜の様子についてです。
普段,モモタロウ達は15:30にグラウンドから部屋に戻って,ごはんの時間となります。
最初の1時間ほどは,モモタロウと,ゲンキと息子たちの3頭に分かれて別々の部屋に入ります。(部屋間の扉は少しだけ空いていて,ゲンタロウとキンタロウは両方の部屋を行き来できるようになっています。)こうしなければ,栄養価の高い野菜などをモモタロウがほとんど食べてしまうので,他の個体が十分な栄養が取れないのです。その後16:30ごろに全員同居になり,夜間は家族全員で3つの部屋と,部屋同士を結ぶシュートという通路を使って過ごします。
担当者がゴリラたちにおやすみをするのが,17時過ぎ。この時はモモタロウとゲンキは大概まだごはん中。ゲンタロウとキンタロウは2頭で遊んでいたり,ゴロゴロ寝転がっていたりすることが多いです。
季節によっても多少違うのですが,18時から19時くらいにゴリラたちは寝始めます。寝る場所は,床の上,藁の上,梁の上,シュート,ハンモックなど様々です。夏の暑い時期は,ひんやりした床で寝ることも多く,秋や冬になってくると,部屋の数カ所に固めておいてある藁の上や,梁の上で寝ることも増えてきます。過ごしやすい春や秋は,モモタロウは床の上,他の3頭はシュートやハンモックなどで寝ていることが多いように思います。
梁の上で寝るモモタロウ
梁の上でごはんを食べるモモタロウと,藁の上で集まって寝るゲンキ・ゲンタロウ・キンタロウ(黒いかたまりにしか見えませんが,赤丸の部分に3頭がいます)
ゴリラたちは夜間,ずっと寝続けているわけではなく,時々起きてきて,残ったごはんを食べたりしています。
ごはんを食べるゲンキとキンタロウ
野生のゴリラたちは木の枝でベッドを作って眠ります。残念ながら,全員動物園生まれのモモタロウ一家は誰もベッド作りをしません。野生生まれだったゲンキの母親のヒロミは上手にベッドをつくっていたそうですが,残念ながらゲンキは学ばなかったようです…
キンタロウが生まれるまでは,ゲンキとゲンタロウは一緒に寝ていることが多く,ゲンタロウがゲンキの腕枕で寝ていることもありました。キンタロウが生まれた後は,もちろんキンタロウは常にゲンキと一緒,ゲンタロウは2頭の近くで寝ていることもあれば,離れていることもあります。最近はゲンタロウがモモタロウの近くで寝ていることもあるようです。
そしてゴリラたちが起きるのは5時から6時ごろが多いですが,8時ごろまで寝ていることもあります。起きてからは,また残った枝葉を食べたり,のんびりしたり,遊んだりしながら,朝ごはんの時間を待っています♪
赤外線カメラの映像から切り出してきた写真なのでとても見にくいですが,ゴリラたちの夜の様子を少しはわかって頂けたら嬉しいです。
ゴリラ担当 安井