飼育員ブログブログ

2020年9月14日(月)獣医室だより078 ロバの皮膚炎

ロバは,西洋では非常にポピュラーな動物です。
慣用句などにも登場し,我慢強さの代名詞として知られています。
さて,京都市動物園にはロバが1頭います。
名前はハル,おとぎの国の西側で暮らしています。

ある日,ハルが皮膚炎になったとの報告を受けて治療に向かいました。
運動場のハルは落ち着かない様子。
顔や体の右半分に,沢山の腫れが見られました。


腫れは体の片側にのみ見られました。
ここ数日で特に飼育条件を変えていません。
直前に園内の木の害虫駆除を行ったことから,ガの仲間の毒針毛が刺さったのかもしれない,と考えました。
ハルは,痒みが強いのかゆっくりと休めない様子。
食欲が落ち,周囲を心配させました。


痒み止めの塗布や,一時期は補液等も行いながら乗り切ったハル。
10日後には食欲も戻り,今では腫れもなくなりました。​​
今回の痒みはハルも我慢できなかったようです。
次回はより早く治せるように,勉強しておきたいと思います。​

土佐