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2020年8月10日(月)獣医室だより073 キリンの削蹄

キリンといえば,高い背丈が特徴。

反芻を行ったり蹄が偶数である点は,ウシによく似ています。
そして,ウシ同様に蹄のトラブルに見舞われることがあります。

こちらはアミメキリンのミライの蹄。
どこがおかしいかお判りでしょうか。

隣にいたメイの蹄。
比べてみると,ミライの両前肢の内側の蹄が大きく曲がっています。
過長蹄と呼ばれるこの状態,放っておくと歩き方に悪影響を与え,関節を痛めてしまいます。
悪化する前にすぐに処置をしなくてはなりません。

キリン舎に眠っていた削蹄バサミ。
大型家畜の専門用語では剪鉗と呼ばれます。
これを使って毎日コツコツ蹄を切っていきます。
保定できない動物なので,近寄って来るのを待つのが基本。
ミライの気分が乗らず近寄ってきてくれなかったり,近寄ってきたと思ったら雨で逃げ出してしまったり…

根気よく続けて,ここまで切ることができました。

キリン舎のサブグラウンドに何人かの職員がじっと立っているのを見かけたら,それはキリンが近寄ってくるのを待っているところかもしれません。
決してさぼっているわけではありませんので,応援してください。

土佐