飼育員ブログブログ
2020年7月20日(月)獣医室だより070 フンボルトペンギンの嘴カバー
以前のブログで掲載した写真のナンテン。
よく見ると嘴の形が少しいびつに見えるかもしれません。
これは,昨年末に治療した嘴が治った痕。
怪我をする前の写真と比べると,わかりやすいかもしれません。
昨年の年の瀬,ナンテンが他の個体と喧嘩をしたと報告を受けました。
ペンギン舎で確認したところ,嘴の根本をひどくつつかれたようです。
鳥の嘴の欠損はどの種類の鳥でも起こりえます。
今回のナンテンの例では,傷が嘴の骨に及んでいませんでした。
このような場合,通常やすりで磨いて形を整えるだけで嘴は再生していきます。
しかし今回は,再度他の個体に攻撃を受け,傷が悪化する可能性がありました。
そこで,嘴の根元に接着剤でカバーを取り付けました。
カバーは,注射筒を半分に割ってやすりをかけたものです。
鼻の穴をふさがないように注意するのがポイント。
その後怪我は悪化せず,カバーも自然に脱落しました。
今後も逞しく生きてほしいと思います。
土佐