飼育員ブログブログ

2020年5月31日(日)宿題やらねば(ゾウの違い)

飼育員ブログ「動物園ブログで海外旅行!」
板東さんから宿題をもらってしまったので,
忘れずブログにしてみました!
(明日から学校再開だけど,みんなは学校の宿題終わったかな?^‐^)

アジアゾウとアフリカゾウの違いについて・・・
言葉だけだとなかなか分かりにくいんです(汗)
そこで写真多めで説明していきますね!

まずはこれ!

並べるとよく分かりますね~♪
ゾウ=耳が大きい。というイメージを持たれている方が多く,
園内でアジアゾウを見ていたお客さんから「なんか思ってたのと違う…?」
と感想をいただいたことがあります(f^^;)
暑い地域に生息するアフリカゾウは放熱機能を持つ耳が大きく,
そこまで暑くはない森林に生息するアジアゾウは邪魔にならないよう
耳が小さくなった,とも言われています。

さて次は,

意外と知られていない?この違い。
頭の形が違うんです!皆さん気づいていましたか(^‐^)/
個体差で分かりにくいこともありますが,山の数でも見分けることができます!

さてさて次は,

これも並べてみないと気付かないかもしれませんね。
私の勝手な推測では平地と傾斜地で暮らしてる違いかな~と思ってみたり…
アジアゾウの写真右側の冬美トンクンは,現地(ラオス)で使役ゾウとして
活躍していた時期があるので,他のラオスからきたゾウたちより
鍛えられた立派な体つきをしています!

まだまだあります!

アフリカゾウの鼻先の写真が無かったので,加工しています(A^^;)
「指状突起」と呼ばれる突起が鼻先にあるのですが,
アフリカゾウとアジアゾウで数が違うんです!
どちらもこの突起をうまく使って小さいモノも拾うことができるんですよ!

まだ終わらない!

これはアジアゾウの足裏の写真です(左:前肢,右:後肢)
前肢に5本,後肢に4本の爪(蹄)があるのが分かりますか?(^^)
後肢は私たちでいう親指(第1指)が退化して無くなっているんです。
対してアフリカゾウは前肢に4本,後肢に3本の爪があります。
以前までアフリカゾウの亜種といわれていた「マルミミゾウ」という
小型のゾウがいるのですが,こちらは前肢に5本,後肢に4本と
アジアゾウと同じ特徴を持っています。
今ではマルミミゾウもアフリカゾウと別種として扱われていて,
ゾウで現在生きている種は3種といわれています!

終わった…。いや,終わりません!

牙の特徴についてもお話ししましょう!
よくアジアゾウのメスには牙が無いの?と質問を受けるのですが,
実は小さいだけで,しっかり生えています!(写真は春美カムパート)
この牙は私たちでいう上の前歯(門歯)になります。
アジアゾウのオスはしっかりした牙を持っているのですが,
メスは小さいことも多く,パッと見では見えないことも多いです。
ただアフリカゾウはオス・メスともにしっかりした
牙を持っているので,顔だけみると見分けがつきにくいですね(^^)

ふぅ…ようやく終わった。
と思いきや最後にもう一つ!


これはアジアゾウのトレーニングの様子です。
(上:直接飼育,下:準間接飼育)
アジアゾウは野生で生きる子もいますが,
人と一緒に暮らしてきた歴史もあります。
昔々は戦争時の乗り物として駆り出されるといったこともありましたが,
今では材木や物資を運ぶ貴重なパートナーとして現地でも使役されています。
ゾウを所有する人や村はゾウたちのことをとても大切にしています。
アフリカゾウやマルミミゾウも使役された歴史が無いわけでは
ありませんが,アジアゾウの使役の歴史とは差があります。

とはいえ,アフリカゾウではこうしたトレーニングが
できないわけではありません。
アフリカゾウでしっかりとトレーニングを行っている
動物園は日本にも世界にもたくさんあるんですよ(^^)b

語りだしたら長くなってしまいました…ごめんなさいm(_ _)m
せっかくの機会でしたので,ゾウのことをたくさん知ってもらえたら
ゾウ達も私たちも嬉しいです♪

                  アジアゾウ担当 アラマキ