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2020年2月26日(水)獣医室だより049 アジアゾウの爪
アジアゾウは,各々の指に爪を持ちます。
便宜上蹄と呼ぶこともありますが,正確には蹄ではなく爪。
足裏で体重を支え,爪はものを掘り起こす際などに使用します。
今回は,そんな爪のお話。
1月初旬に,トンクンが怪我をしました。
左後足の第3指の爪に,亀裂が伸びているのがわかります。
おそらくグラウンドで負傷したものと思われます。
アジアゾウなど大型の動物で,足の病気は大きな問題になります。
立てなくなると,自分の体重で重度の床ずれを起こすほか,内臓や運動器官にも大きな負担をかけてしまうためです。
このため,足の治療は早期から積極的に行うのが鉄則です。
ゾウの治療に詳しい先生に相談し,毎日の傷の消毒を始めました。
剥離した爪を切除しながら消毒を続けて約1箇月。
爪の表面は,比較的きれいになりました。
万一汚染が奥に進んでしまうと,治癒は非常に難しくなります。
油断せず,経過を見ていこうと思います。
土佐