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2019年12月9日(月)獣医室だより038 インドオオコウモリの断指

動物を群飼育するメリットは,その動物の社会性を引き出せること。
一方で,どうしても闘争が発生してしまうことがあります。

ある朝に搬入されてきたインドオオコウモリのミカン。
20歳と高齢なのですが,強い個体からの攻撃を受けて,怪我をしてしまいました。

左下腿部に大きな傷。腓骨を骨折していることが判明しました。
なお,写真のように膝が手前に曲がるのは,コウモリでは正常です。

また,左前肢第3指が途中から折れてしまいました。
あまり筋肉に覆われておらず,翼膜の引っ張りの力が強い部位です。
骨折の整復は困難と判断,関節から遠位を断指しました。

 

2週間後,術部は閉鎖しつつあります。
現在,左後肢が上手く使えるようになるまで静養中。
インドオオコウモリ室で再び元気に過ごしてくれるよう,できる限りの治療をしたいと思っています。

土佐