飼育員ブログブログ
2019年5月27日(月)獣医室だより010 バクとウマの距離
先月採血を行ったバク。
無事終了しましたが,獣医室ではそのあとが本番です。
赤血球数や白血球数などを血液性状値と呼びます。
当園の機械では,イヌやウマなどの血液性状値を測定できます。
しかし,当然ながら「バク」という項目はありません。
資料を調べたところ,バクの血液性状はウマに類似する,とありました。
そこで,ウマ設定の機械計測値が実際の値と近いのか検証することにしました。
これはビルケルチュルクの血球計算盤。
その名のとおり,血球の数を数えるために使われるものです。
これに希釈した血液を入れて顕微鏡で見ると,下のように見えます。
写真中央の4*4の正方形内に赤血球がいくつあるか数えます。
この数値を計算して,元の血液の赤血球濃度を測定します。
こちらは,白血球の百分比計算。中央にあるのが白血球の一種,好中球。
白血球は好中球,好酸球,好塩基球,単球,リンパ球などに分類されます。
その割合を測定するために,血液を薄く塗って染色し数えます。
このほか,血液に占める赤血球の容積も計測します。
一方,機械計測値の比較。左から,イヌ,ウシ,ウマ,ゾウ。
ウマ設定の数値が,実測値と一番近いという結果になりました。
誤差はありますが,ウマ設定はバクの血液性状の大まかな把握に使えそう。
次回から,急ぎの結果が必要な時には機械で計測することとします。
緊急事態等にすぐに動けるよう,業務の合間にこんな準備をしています。
獣医室からでした。
土佐