飼育員ブログブログ

2018年9月10日(月)ナイル

おじいさんライオンのナイル(24歳)ですが,9月3日(月)の休園日に麻酔をしました。伸び過ぎたツメを切るためです。寝ていることが多く,ツメ研ぎをすることもほとんどないため,伸び過ぎてしまったのです。実は4月頃にはすでに伸び過ぎていることに気が付いていました。しかし歩くことに影響は出ていませんでしたし,高齢のナイルに麻酔をかけるのはリスクが高すぎると判断し,経過を見ていました。ところが8月下旬に伸び過ぎた第一指のツメがパッドにくい込んでしまい,出血してしまいました。このままだと傷口から菌が入り最終的に敗血症になる可能性があるため,意を決して麻酔をかけて処置することとしました。高齢で,体調も万全でないナイルに麻酔をかけるのは前述のとおりかなりリスクが高いです。そのため,飼育担当と獣医とで慎重に検討を重ねました。みんな不安を抱えながらの麻酔でしたが,幸い処置は上手くいき,無事に覚醒しました。当日の様子を写真でご紹介します。


ツメ切前のナイル。見えないはずのツメが見えています。


麻酔や点滴の準備をするK獣医。目が真剣です。


準備完了後,真剣に狙いを定めて空気銃で麻酔を打ちます。


見事命中。痩せているので,筋肉が薄く,注射筒が下を向いています。



麻酔のかかりが浅かったので,棒を使って追注(上)。
さらに吸入麻酔も使用しました(下)。


ここが出血の元となった右前肢の第一指のツメ。ついでに
他の指のツメ切と採血も行いました。

ちなみに血液検査の結果は,やはり腎機能は悪かったのですが,肝機能はまずまずでした。
これからも少しでも良い状態でみなさんにナイルをご覧いただけるよう取り組んでいきたいです。
ぜひナイルに会いにご来園ください。

ライオン担当 松ぞう&飼育・獣医チーム