飼育員ブログブログ

2017年3月20日(月)シリーズ~ヤマネコとイエネコ~⑬

冬に「次回は爪のお話です!」と言ってからすっかり季節は春になってしまいました。

爪の話をしようと思っていた矢先,皮肉にもツシマヤマネコのキイチとめいの同居中に,「爪」に関わる事件が起きてしまいました…
軽い闘争があって,めいがキイチの爪で傷を負ってしまったのです。
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軽傷でしたが,傷口から菌などが入らないように1週間ほど入院することになり,その間同居も中止となってしまいました…
今は傷もすっかり治って元に戻っていますので安心してください^^

ネコはハンターですから爪は武器にもなるのです。


一部のネコ科動物を除いて,ネコの仲間は爪が出し入れできます。
なのでツシマヤマネコもイエネコもほとんど同じです。
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普通に歩くときは爪は出しません。

木に登ったり,何かを掴むときは出します。
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少しわかりにくですが,ゴム製のボールに爪を立てて押さえています。

 

しかし,生まれたての子猫は爪の出し入れができません。
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爪の出し入れも成長と共にできるようになるのですね。

先日,家にこんなものが落ちていました。
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イエネコ代表クロネコくんの落し物で,爪がはがれたものです。
新しい爪が下から生えてくると外側の古い爪がはがれ落ちます。
 

これは他のネコ科動物も同じですので,掃除の際に見つけることが良くあります。
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京都市動物園のネコ科を並べてみましたが,どの動物か想像つきますか?
一番左がツシマヤマネコです。(答えは最後に!)

爪とぎをするのは,この古い爪をはがして常に鋭い爪を維持するためです。
が,それだけでなくマーキングの役割もあります。
同居をしていると頻繁に爪とぎをする姿が見られます。

爪は身体のほんの一部ですが,それだけ見てもいろいろなことがわかります。
そんなお話をまたここでいっぱいできたらと思っています。

種の保存展示課 タカギナオコ

※はがれた爪の答え
 中央:ジャガー
 右端:ライオン