飼育員ブログブログ
2016年12月10日(土)今年も始まりました(^_^;)
冬の熱帯動物館といえば,ナマケモノのほっこりの移動だけでなく,もう一つ大事なことがあります。
それは…
コウモリたちの恋の季節がやってくるのです!(*^_^*)
現在,熱帯動物館では,オス3頭,メス9頭が飼育されています。
ひときわ大きな体で目立っている,らいむがこの季節の主役です。
実はらいむ,普段からとっても威張っていて,他の子を追い回して餌を独占したりしてしまいます。他の子があまり餌を食べられなかったり,いじめられて怪我をしてしまう子もいたので,しばらくの間,キーパーエリアで別飼いになっていました。
その間の展示室の平和だったこと…(^_^;)
メスたちもモリモリ食べて,来たるべき繁殖期に備えることができました。
らいむ対策として,メスたちがうまく逃げられるように,展示室には枝やトリカルネットで作った柱を入れたり,餌を下の枝の方にもつけたり,準備も万端に整えました!
そして,12月に入ったころから,残ったオス2頭のメスの陰部をかぐ行動が増えてきて,今週,交尾をしそうな様子も見られたので,8日についに,らいむが展示室に戻ってきました。
しばらく周囲の様子を伺った後,らいむは早速メスたちを追いかけ始めました。メスたちの方は,初めはみんな迷惑そうに,巨大な体のらいむから逃げていたのですが,少しずつらいむを受け入れつつある子も出てきました。
メスを追いかけるらいむ(上)と,逃げるもも(左下)とみかん(右下)。
らいむから逃げて,アオキの枝の陰に隠れるみかん。
私はもういないことにして~と言わんばかりに,下の方にあるアオキの枝で静かにしている満ちる。
らいむ(左)を受け入れ始めたりんご(右)。
メスを追いかけて,下の方の枝に下りてきたものの,うまく上に登れなくて必死に枝にしがみつくらいむ(笑) 下の方の枝に下りたり,葉の茂った細いアオキの枝のところを通るのは苦手なようです(^_^;)
ちなみに残り2頭のオスはといえば…
おじいちゃんコウモリのくりは,繁殖期に展示室にいると,ライバルのらいむに追いかけられて怪我をしてしまう可能性が高いため,繁殖期の間はキーパーエリアでのんびり過ごしてもらうことにしました(^_^;)
ちょっと寂しいかもしれないけど,冬の間はここでのんびり過ごそうね。
らいむの息子のらいちは,まだまだお父さんにはかないません。お父さんにライバル視され,追いかけられてばかりですが,まだ若いのでうまく逃げてくれています。お父さんの隙をついて,らいむを受け入れないメスたちと交尾をしてくれないかなぁと少し期待しています。
このようなわけで,これから2~3カ月の間,大きな体のらいむが他の子たちを追いかけまわしていじめているような光景がよく見られると思いますが,それが彼らの本能であり,繁殖のためには必要なことなのです。
担当者としても,メスたちやらいちが,らいむからうまく逃げられたり,きちんと餌を食べられたりするように,これからもできる限りの工夫をしていきたいと思っていますので,みなさんにも,温かく見守っていただければと思います。
熱帯動物館・夜行性動物担当 安井