飼育員ブログブログ
2013年12月28日(土)タンザニアに行ってきました⑥~アウトロ編~
さて,長きに渡ってお伝えしてきたタンザニア出張報告2013ブログもこれで最後。
今回は,野生動物の暮らしではなく,私が垣間見たタンザニアの人々の暮らしや街の様子,
そして研修を通じて感じたことなどをお伝えしようと思います。
出張前は「アフリカは未開の地」という印象が強かったのですが,タンザニアの
事実上の首都「ダルエスサラーム」は開発が進み,近代的な建物がたくさん!
「高層ビルの建設もすすめられています」
“街”なのだなという印象を受けます。
街には車もたくさん走っていました。そんな車は…
「こっちにも日本車,あっちにも日本車!」
たくさんの日本車が走っていました。
タンザニアでは,日本の車の人気がとても高いそうです。私たちがセレンゲティで
乗せてもらった車も,日本車でした。
タンザニアの人たちにとって,日本と言えば車というイメージが強いそうです。
さて,下の写真は牛を連れて歩く人々。
「大きな道路のすぐそばにいます」
ムワンザ(セレンゲティ国立公園近くのタンザニア第2の都市)周辺でよく見られた光景です。
人々と家畜のつながりの深さを感じます。
ムワンザ周辺に昔から住んでいたスクマ族の人々は昔から家畜と深いつながりを持って
暮らしてきたのだそうです。
また,下の写真のように頭に荷物を乗せて運ぶ人は色々な場所でよく見ました。
「手前に写っている人の頭に重そうな荷物が」
下の写真,何を運んでいるか分かりますか。
「ゴンベ国立公園近くの街,キゴマで撮影しました」
大量の木です!
タンザニアでは,ライフラインが整備されているのは都市の一部だけで,
ガスもほとんど普及していません。
なので,煮炊きのときにも薪を使うそうです。
こういう人々の暮らしもあって,山の木々は少なく,チンパンジーの住む国立公園を一歩でると山は,
ハゲ山のようになってしまっています。
「国立公園外の山肌。下の国立公園内の山肌と比べて見てください。」
「国立公園内の山肌」
このような現実を見て,動物の保全の難しさを感じました。
ここに住む人々は,ずっとこの暮らしを続けていて,外の人間が野生動物の保全を理由に,
彼らの暮らしを変えてしまうことは少し違うのかなとも思いました。
タンザニアの人々が,身近な野生動物の
大切さに気づき,うまく共生していくための
暮らしをしていくことが求められています。
そのために,前のブログにもあった
TACAREというプロジェクトなどが
おこなわれています。
「TACAREで保全されている林。管理は村の人々に任せられている。」
タンザニアの人の中にも,大学などで
野生動物のことを学び,国立公園などで
保全の現場で活躍している人もいるそうです。
では,私たちが現地の動物たちのためにできることは何でしょうか。
下の写真は,ゴンベの森で見られた星の写真です。
「たくさんの星!」
私は初めてこんなにたくさんの星を見ました。
ゴンベの宿泊施設では,夜は電気は必要ないだろうということで停電してしまいます。
それもあって,周りに明かりがないため,
このような綺麗な星空がみられます。
日本では考えられない生活なのですが,とても理にかなった“エコな”生活だと思いました。
日本で私たちは,物に囲まれた,とても便利な生活をしています。
しかし,身近で何気なく使っている資源は,
アフリカの森を切り開いてとられているものかもしれません。
私は今回,アフリカでの生活を体験し,
普段の生活の「無駄」の多さを痛感しました。
もっとエコな暮らしを心がけたいと思いました。
このブログを読んでくださった皆さま,一緒に何かできることを始めてみませんか。
9月から長きにわたり,タンザニア研修ブログに
お付き合いいただき,本当にありがとうございました。
サル舎担当:しまだかなえ