飼育員ブログブログ

2013年10月3日(木)タンザニアに行ってきました②~ゴンベ国立公園編1~

今回のブログでは,ゴンベ国立公園のチンパンジーについてご紹介します。

ご存じの方も多いかもしれませんが,ゴンベ国立公園はジェーン・グドール博士が野生チンパンジーの研究をおこなったことで有名で,現在でも100~150頭ほどのチンパンジーが生息していると言われています。


「遊ぶチンパンジーの子どもたち」

「登山道を横切っていく兄弟チンパンジー」

今回は,合計15頭のチンパンジーを観察することができました。
昨年に引き続き、『グレムリン』にも会えました。
グレムリンは,2頭の子どもを連れていました。


「グレムリン」

グレムリンは,ジェーン博士が書かれた本にもたびたび登場するチンパンジーです。
本に登場する彼女にずっと会いたかったので,彼女に会えたことはとても嬉しいことでした。
彼女は41歳と高齢ですが,3歳の子どもを持つ現役のお母さんです。
(チンパンジーは死ぬまで子どもを産み続けると言われています。)
 


「グレムリンの末の息子,ギズモ」

現地のガイドさんが,「グレムリンはスーパーマザーだよ。」と言っていました。
今回の観察でも「スーパーマザー」ぶりを感じることができました。


「子どもたちのことを遠くから見守るグレムリン」


「子どもたちは後からやってきたオスと毛づくろいをしていました」

子どもを常に見守りつつも,振り回されすぎず,ドンと構えるベテランママという様子がうかがえました。
その姿に,当園で飼育しているコイコの姿が重なりました。

コイコも,貫録のあるベテランママです。
そんなコイコの息子,ニイニもグレムリンの息子たちのように立派に育っていくだろうなと思いました。


森では,子どもチンパンジーにたくさん出会えました。
子どもチンパンジーは,オトナの近くでよく遊んでいました。

印象的だったのは,上の写真のようにツタ状の木の枝につかまって遊ぶ子どもたちの様子でした。
ゴンベの森には,こんな枝をもつ木がたくさんあり,まさに子どもたちの『遊具』にあふれていました。
帰ってきて,ニイニの様子を見ていると…


こんな光景が見られました。ゴンベの森で遊ぶチンパンジーの様子と重なりませんか?
野生下のように本物の木で『遊具』を作ってあげることはなかなか難しいかもしれませんが,
こんな構造物をたくさんつけて,『遊具』を増やす工夫をしたいなと思いました。

                              サル舎担当 しまだかなえ