飼育員ブログブログ

2013年1月19日(土)ボルネオに行く!(2012年5月)~吊り橋編~

とうとう『国際コウモリ年』(2011~2012年)が終わりました。
コウモリ担当者としては少し寂しい気分です。

今回は少しコウモリから離れて、
のびのびになっていた海外出張のお話をしたいと思います。

去年の5月下旬にボルネオに行って、吊り橋を架けてきました。ボルネオは東南アジアに浮かぶ、世界で三番目に大きい島です。
このプロジェクトはNPOボルネオ保全トラスト(BCT)とBCTジャパンがサバ州野生生物局や現地NGOと協力して行っている取り組みです。
(※詳細はBCTジャパンのホームページでもご覧いただけます。)
吊り橋はこんな感じです。
少し見にくくてすみません。ボートの上の電線みたいな物が吊り橋になります。

現地の人たちと協力して架橋しました。現地の人たちは作業中も裸足だったので驚きました。

吊り橋には耐久性に優れる日本の消防ホースが利用されました。
消防ホースは廃棄予定だったものを再利用しています。

現在、ボルネオでは急速にアブラヤシのプランテーションが広がっており、それに伴って森林が破壊されています。

どうですか?プランテーションが一面に広がっています。
森が減少するとオランウータンは木から木へと移動できなくなるのです。
しかしその一方で、アブラヤシは現地の人たちにとって安定した収入源であり、切っても切り離せない関係なのです。
実際、私たちの身のまわりの物にもアブラヤシは使われていて、代表的なものにインスタントめんやスナック菓子などがあります。
無関係なことではないんですね。考えさせられます。

経済事情も絡み、複雑な問題でもありますが、
オランウータンが森を自由に移動し、餌の確保や繁殖のための新しい出会いにこの吊り橋を少しでも役立てて欲しいと思いました。

ハ虫類館担当:米田