飼育員ブログブログ

2010年7月9日(金)ガボンでゴリラに会ってきました! part.3

皆さん、お久しぶりです。長らくお待たせしました!                                             前回は森の様子を中心にお話してきました。                                  はてさて、今回はゴリラの登場と相成りますか?                                    それでは、前回の続きから・・・

                                       森の中にはこんな大木も見られます。                                                 小さく写っている僕たちと比べてみてください。                                          この木の根は板状になっていて(板根といいます)                                       チンパンジーは誇示行動のときこれを叩いて大きな音を出します。

 

さらにトラッカーさんについて行くと・・・

                                辺りの枝が食い散らかしたように散乱しています!                                         これは新芽を中心に食べた痕です。

その近くには・・・

                                 太い枝の樹皮を剥いて食べた痕です。

 

そしてさらに歩き進むと・・・

                                        ナント!                                                               木の幹をかじった痕までついているではありませんか!!                                  いったい何の動物が食べた痕なんでしょうか?

 

するとそ、のそばに・・・

                                           大きな糞を発見しました!                                                      これにはすごく見覚えがあります。                                                 もうお分かりですね?                                                         そうなんです。ゴリラの糞です!

 

トラッカーさんは自信に満ち溢れた顔で                                                  僕たちに小声でこう伝えました。                                                     

「きっとこの近くでエサを食べているはずだ!」  

緊張感が走ります。                                                         本当にゴリラたちに会えるのでしょうか!

 

いっ、いました!

                                                                              木の陰にその姿がチラッと見えました!                                             こっちを見ています!その動きも止まっています。                                        その距離はおよそ10mぐらいでしょうか。                                             こちらに向かってこないかドキドキです!                                            そして、この写真が野生ゴリラとのファースト・コンタクトです!                                 写真の個体は、ジャンティーというシルバーバックで                                  この群れのリーダーです。この群れは20頭で構成されていて                               その中でも、ひときわ体が大きく、体重が230kgはあろうかという                                 立派なオスです。                                                          トラッカーさんたちからは「パパ・ジャンティー」                                                  と親しみをこめて呼ばれていました。                                             10分ほどすると食べ物を求めて別の場所へ移動していきました。

 

さらに少し進んでいくと・・・

                                        木の上に黒い塊があるのに気づきました。                                         樹上7,8mといったところですか。                                                 じ~~っとこちらを見つめています。こちらも体が大きく見えます。                                 この個体はこの群れで生まれ育った、バリ(オス)という                                    ブラックバックです。体重は180kgぐらいありそうです。                                       

そして、すぐその近くには・・・

                               いました!メスの個体です!                                                        一生懸命に葉っぱを食べていましたが                                              こっちに気がつくと、その動きがピタッと止まりました。                                     かなり警戒しているみたいです。                                      オスと違いとても愛くるしく見えます。                                                 おなかもとても大きく当園のメスゴリラのゲンキを見ているようです。                           まあ、顔はゲンキの方が可愛いとは思いますが・・・(親バカ?)                                 

 

そして今度はその横の木に・・・

若い個体が、無理な体勢のまましがみついて、こちらを見ています。                                                          まるで、ゲンキの子供のころを見ているようなその姿に                                  親しみがわいてきました。                                                    

今まで、同じ空間(檻やガラスで仕切られていない)                                              でゴリラに出会った経験はなかったので                                   時間の止まった中で彼らと対しているような                                          群れの一員になったような                                                        そんな不思議な感覚に包まれたひと時でした!                                        鳥肌は立ちっぱなしで、まるでニワトリにでもなったよう(笑い)・・・

こんな出会いが初日からあり                                                ガボンの自然の懐の深さを感じずには、いられませんでした。

でも皆さん、ちょっと気がつきませんか?                                           今までお目にかけた4枚の写真は                                                  これまでのゴリラに対する皆さんのイメージと少し違っているような・・・。

また、また、また長くなってしまいました。                                                                                          今回やっと皆さんはゴリラと出会った訳ですから                                     その余韻に浸っていただいて                                                     最終回はゴリラたちについて、いろいろと考えて見ましょう!                                   それではこのへんで!次回をお楽しみに! 

                       

                            ニシゴリラ担当:長尾充徳