飼育員ブログブログ

2009年12月18日(金)アカゲザル ヨネの試練

 アカゲザルのヨネは平成20年8月27日生まれの1歳のメスザルです。
生まれてすぐに母ザルのタワラが面倒をみなくなったため人工哺育で育てられました。
その後、順調に成長したことからサル島の群れに戻すことにしました。
 しかし、ヨネは人工哺育で育ったためサル同士の付き合い方や群れで暮らすためのルールを知りません。
そこで、ヨネを群れに戻す前に、子ザルを他のサルに取られて返してもらえなくなるため群から分けていたリズム・テンポ親子と一緒にして様子をみることにしました。
ヨネはリズム親子をあまり怖がることも無く、子ザルのテンポと遊んだりしていました(ヨネの一方的な遊び方でしたが・・・)。
一方リズムの方は、ヨネを嫌がり攻撃こそしませんでしたがヨネが近寄ってくると避けていました。
 その後、約一ヶ月間の同居中に大きなトラブルも見られなかったのでいよいよヨネとリズム親子をサル島に戻す事にしました。
群れに新しいサルを入れる時や群れから分けていたサルを群れに戻す時にそのサルが攻撃されることが多いので、他のサルの意識が群れに入れたサルにいかないように何かのドサクサに紛らわせて戻すようにしています。
ちょうど11月に行った健康診断(全頭を捕まえて、ツベルクリンや駆虫を行います)終了後にヨネとリズム親子を群れに戻しました。
群れに入ったヨネは幸いなことに他のサルから攻撃されることも無く受け入れてもらえたようです。
しかし、ヨネの方が群れのサルが近寄ってくると怖がり逃げてしまいます。
特に、子ザルたちが遊ぼうと寄ってくると嫌がり逃げるため、追いかけられて咬まれたりしました。
また、大人のサルたちにも時々叱られて鳴きながら逃げ回る姿も時々みられました。
 ヨネが群れに戻って約1ヶ月たった今では他のサルと一緒に日光浴をしたり、毛づくろいをしてもらったりする事も時々見られるようにはなりましたが、担当者の姿を見ると寄って来たりしてまだまだ人への依存が強く残っています。
まだ一頭で群れから離れていることが多く群れの中にしっかりと溶け込んでいくにはもうしばらく時間がかかるでしょうが、ヨネ自身が群れの中で色々な事を体験しながらサル同士の付き合い方を覚えていくしかありません。

これからも長い目で暖かくヨネを見守っていきたいと思います。

               アカゲザル担当 山下直樹