生き物・学び・研究センターブログ

2021年1月23日(土)剪定した枝葉を動物の飼料として活用

動物園では,これまでに何度か,外部の企業や団体から剪定した枝葉の提供を受けてきました。
〇京都府立植物園様から「今年度一回目 植物園からの贈り物」
(2020年5月12日 生き物・学び・研究センターブログ)
〇造園会社様から「飼育動物の飼料として活用!」
(2021年1月6日 飼育員ブログ)
そのほかにも,青果卸店様から動物の飼料用に金時人参の提供を受けたこともありました。「SDGsと御寄付」(2020年12月25日 飼育員ブログ)
これらの御寄付は,動物園の動物(主に草食,雑食の動物たちの食事のヴァリエーションを増やし,特に食物繊維量を確保することに役立っています。(もちろん,餌代の削減効果も)
更に,企業にとってもごみとして処理する場合と比べて廃棄量削減や,食品ロス削減につながります。
これらの取組はSDGs達成目標のうち,
Goal 12「つくる責任 つかう責任」で目的としている持続可能な生産消費形態を確保するための活動となる廃棄物の削減に資するものです。
また,剪定による里山等の環境保全や,それを食べる動物たちの飼育環境改善は,Goal 15「 陸の豊かさも守ろう」で目的としている生物多様性保全にもつながります。
(SDGsについて詳しくは,京都市のページ「京都市における持続可能な開発目標(SDGs)の推進について」を参照ください。

今回は,もうひとつの事例をご紹介します。
株式会社アドプランツ コーポレーション様から,これまで複数回,里山保全の活動で出た剪定枝をいただいてきました。(外部サイトへのリンクです。)

今回は,主に若い竹をいただきました。

こちらは前回の写真。カシなどの広葉樹の枝葉をもりもり食べるゾウ達。

ほかの植物食の動物たちもおいしくいただきました。
こちら「飼育動物の飼料として活用!」で紹介したのと同様です。

そしてこちらの企業には,もりもり食べて出てきたゾウの糞から作った肥料を,田んぼの肥料として提供しています。


そして,秋には立派に生長した稲を収穫したそうです。

(写真提供:アドプランツ)

動物園の動物から出る糞は産業廃棄物として処理されますが,そうして出すごみの量を削減するために,動物園には糞を有機たい肥(コンポスト)にするプラントがあります。

特にゾウは食べる量が多い分,糞も大量なので,ごみ削減には効果があります。
こうやって,双方でごみ削減に取り組みながら,双方にとって有益な取り組みになるように協力しているところです。

今後も機会があれば,ほかの団体様ともこうした活動に取り組んでいきたいと考えています。ただし,動物園には運搬用の車両がなく,購入飼料との兼ね合いや薬剤が付着していないか等いろいろと調整すべき点はありますが,もし,学校・企業等で御興味のある方がいらっしゃいましたら,ぜひお声がけください。
お問い合わせはこちら: 京都市動物園(代表)075-771-0210,kyotoshi-doubutsuen@city.kyoto.lg.jp


田中正之