生き物・学び・研究センターブログ
2020年4月18日(土)セルフスタート
京都市動物園でおこなっている「お勉強」は,すべてセルフスタート式です。
つまり,「問題ください」を意味する〇(マル)が画面に出たら,それに触ると問題が出ます。
さわらないかぎり,いつまでもその画面のままです。
チンパンジーたちは,問題をしたいとき,その〇に触れて問題を呼び出し,問題を解いて,正解だったら(画面に「せいかい」と出てきます),ごほうびにリンゴを小さく切ったものか,ニンジンを小さく切ったものがもらえます。
※お勉強を始めた最初の頃は,リンゴだけでやっていましたが,途中からカロリーを抑えるために,リンゴと同じように切りやすくて一年中手に入る食材として,ニンジンも混ぜるようにしました。
チンパンジーにとっては,人間用に栽培されたニンジンは十分に魅力的なごほうびのようで,やる気が下がることは全然ありませんでした。
さて,この日は,勉強部屋にチンパンジーたちが入れる状態にしてから勉強を始めました。
でも,準備に少し時間がかかります。パソコンを立ち上げたり,ごほうび用のリンゴやニンジンを切ったりするためです。
勉強が始まるのを待つ,ニイニとロジャーの兄弟。
でも大人しく待っているチンパンジーではありません。
ずっと勉強に参加していると,なんとなく画面のどこをさわるとよいのか,覚えてしまうようで,
おそらく意味はわかっていないのでしょうが,たまたま画面にふれていると,「問題ください」が現れました。
(このとき,まだ,ごほうびの準備はできていないので,問題に正解しても何ももらません。)
〇が出たので,問題を始めるニイニ。「ぼくもやりたい!」と,のぞきこむロジャー。
そして,正解。
でも,何にも出てきません。
でも,まだやります。
2問目も正解でしたが,何にも出てこないので,あきらめたニイニは席を立ちます。
待ってましたと,画面をさわりにいくロジャー。
問題が出てくる。
もちろん,ロジャーは数字の順番はわかりませんから,不正解。画面が3秒間,消えます。
いつものことなので,気にせず問題を続けるロジャー。ごほうびがでてこないことがわかって,冷静にロジャーを見守るニイニ。
ロジャーは画面が変わることがうれしいのか,どんどんさわります。
まだこの時点で,1分もたってないのですが,とても長くなりそうなので,(その2)に続きます。
田中正之