生き物・学び・研究センターブログ

2011年2月4日(金)マンゴロウとの日々(その2)

2008年の8月下旬には、マンゴロウの勉強に対する意欲が落ち始めていました。
最初は触るだけでよかった課題が、少しずつ難しくなっていって、画面に触ってもごほうびがもらえないことが増えてきたからでしょう。


そんな頃、それまで母親のオネさんのそばで見ているだけだったマンマル(当時、生後11か月)が、画面に手を伸ばすようになったのです。

マンマルの上には、兄のマンジュウロウと姉のマンドリンがいましたが、このふたりは画面に手を伸ばすことはありませんでした。マンゴロウがそばにいて、威張っていたせいでしょう。
しかし、母親のオネさんにくっついていることの多かったマンマルには、マンゴロウもあまりきつくは当たれないようで、邪魔をしながらも、マンマルが画面に触るのをやめさせることができませんでした。


そしてマンマルに勉強を始めてみると、マンゴロウが苦労していた問題を楽々クリアしてきました。マンゴロウが正解の範囲が画面の1/6になると、かなり苦労していたのですが、マンマルはさらに細かく、1/12になっても楽々と触ることができました。
マンゴロウが4か月かかっても覚えられなかったことを、わずか1週間ほどでできるようになったのです。


マンマルは次に数字の順番を覚える勉強を始めました。
こうなると、マンゴロウはまったく手が出ません。
しかし、ただ指をくわえてみているわけではありませんでした。


勉強しているマンマルを邪魔するようになったのです。
マンマルの勉強の最中、ほとんどタッチモニターのそばに陣取り、しきりにマンマルを威嚇するようになりました。


ときには暴力的に振る舞うこともありました。


それでも、マンマルはマンゴロウの隙をついて、勉強を続けました。
オネさんに横取りされていたときと同様に、気がいいのか、少し間が抜けていたのか、マンゴロウがどんなに威嚇しても、マンマルは勉強を続けられたのでした。

これが2008年の夏から秋にかけての思い出です。
妹のランマンが生まれるのは、翌年の4月です。
今回、活躍をお知らせしたマンマルも、昨年11月に大阪の天王寺動物園に移動しました。
ずいぶん昔のことのように感じます。
 


田中 正之