救護センターブログブログ

2018年1月17日(水)冬のコウモリ

13日の夜から雪が降り続き,14日の朝にはこんな美しい雪景色となりました。
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 京都の森と東山三十六峰

この時期,アブラコウモリは冬眠中です。
エサの昆虫が少なくなる冬に,できるだけエネルギーを消費しないように
体温を下げて,休眠状態に入っているのです。
ここ数日のような春を思わせる暖かい日には
気温の上昇に促されるように体温が高くなり
目を覚ますアブラコウモリが現れます。
また,体温が低くなりすぎないよう,周期的に目覚め
その間に排泄をし,水を飲むとも言われています。

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夜行性の動物なので昼間は外に出ても活発に動き回らず
もそもそしている姿を目撃され,「飛べないコウモリがいる」と
連れ去られるケースがあります。

もし冬にそんなアブラコウモリを見つけたら,ケガをしていなければ
近くの木に止まらせてあげてくださいね。
たいてい夜のうちに棲み家に戻るはずです。

アブラコウモリはイエコウモリ(家蝙蝠)とも呼ばれ
体長は大人でも5cmぐらいしかありません。体重も7g前後です。
手のひらサイズなので,1.5cmの隙間があれば
屋根裏だろうが雨戸の戸袋だろうが壁の隙間だろうが
家であればどこでも棲み家にします。

コウモリ目の動物は,哺乳類の中で唯一,空を飛ぶことができます。
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コウモリの翼です。羽毛ではなく皮膜がついています。
イソップ童話ではコウモリは,自分のことを獣と言ったり鳥と言ったりする,
二枚舌で二股膏薬のキャラクターとして登場していますね。
『蝙蝠も鳥のうち』という成句もあります。
これは,価値が低く取るに足らない存在であっても
一緒にまじっているなら仲間であることを例えた言葉です。
コウモリは不細工だけど,空を飛ぶから鳥の仲間だって言われてもねぇ…。
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ブサかわだけど,歯と毛がある哺乳類ですから!

                               救護センタースタッフ 吉川