救護センターブログブログ

2017年11月10日(金)赤い目をした~♪

「赤い目をした鳥です」と電話を受けてもピンとこず
運ばれてきた鳥を見ても・・・
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・・・誰?

図鑑で調べたら,ヒクイナでした。
草の生い茂った湿地や水田に生息する水辺の鳥です。

非常に警戒心が強く,危険を察知すると
草の中にそそくさと歩いて逃げていきます。
ムクドリぐらいの大きさなのに,やたらと足のデカいこと!足指も長いし。
これが泥のぬかるみでも難なく駆け抜けるのに,うってつけの足なのでしょう。
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目(虹彩)だけでなく脚も赤く,頭からお腹にかけても赤茶色の羽をしています。
なので,緋色のクイナ,ヒクイナです。
 

ヒクイナはキョッキョッともヒョッヒョッとも聞こえる声で鳴きだすと
次第にテンポを速め,コココココで鳴き終えます。
カジカガエルやヒグラシの鳴き声ぐらいの高い音程です。
これが昔の人には戸をたたく音に聞こえたようで,
ヒクイナの鳴き声のような戸をたたく音とか,
人が訪ねてきたかと思わせるヒクイナの鳴き声といった表現が
古典文学にいくつか登場します。

昔はそれだけ身近に感じられる鳥だったのでしょう。
現在は京都府のレッドデータブックでは絶滅危惧種,
国では準絶滅危惧種になっています。

夏鳥とされていますが,冬に底冷えする京都でも
12月から2月にかけて目撃されこともあります。
この子も越冬する個体だったのかもしれませんが,残念ながら亡くなりました。

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        救護センタースタッフ 吉川