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2016年5月27日(金)チンパンジー(ローラ)の妊娠について
この度,京都市動物園で飼育中のチンパンジーの「ローラ」が妊娠しましたので,下記のとおりお知らせします。
平成20年4月に締結した京都市と京都大学との連携協定による取組の一環として,平成 21年3月にチンパンジーの群れ飼育を開始して以来,平成25年2月に生まれたニイニに続く2回目の出産となり,当園では延べ3回目の出産となります。
なお,国内では平成27年9月30日に『とべ動物園』で誕生するなど多数の出産例があります。
記
1 妊娠したチンパンジー
⑴ 名前 ローラ(メス・25歳・初産)
⑵ 生年月日 平成2年10月4日
※三和化学熊本研究センター生まれ(現京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ(以下,「熊本サンクチュアリ」という。)
⑶ 来園日 平成27年5月14日
『わんぱーくこうちアニマルランド』から来園
⑷ その他 子の帰属については,母親ローラの所有者である『わんぱーくこうちアニマルランド』となります。
なお,チンパンジーの妊娠出産においては,流産や死産が起こる可能性が約32%あることが報告されています。
2 父 親
⑴ 名前 ジェームス(オス)23歳
⑵ 生年月日 平成5年5月9日
『熊本サンクチュアリ』生まれ
⑶ 来園日 平成22年11月1日
『熊本サンクチュアリ』から来園
⑷ その他 繁殖のためのブリーディングローン(繁殖を目的とした貸借契約)により,所有者である京都大学野生動物研究センターから借受
3 出産予定日
平成28年8月15日(月)~8月27日(土)(妊娠期間は227~239日)
4 飼育経過
平成22年11月 1日 ジェームス来園
平成27年 5月14日 ローラ来園
平成28年 5月17日 検査により妊娠確定
5 国内飼育状況
平成27年12月31日現在,国内施設で318頭(オス137頭,メス181頭)が飼育されています。
最近5年の出産数は以下のとおりです。
平成27年10頭(うち1頭死産,4頭死亡)
平成26年 3頭(うち1頭死産)
平成25年 8頭
平成24年 3頭(9月17日現在,GAIN(※)ホームページより)
平成23年 5頭(12月5日現在,GAINホームページより)
※「大型類人猿情報ネットワーク」を意味する英文の頭文字。チンパンジーとゴリラとオランウータンについて,日本国内で飼育されている個体の情報を収集し,データベース化し,一般に開示して学術研究の推進に供する事業
6 その他
京都市は京都大学との間で「野生動物保全に関する教育及び研究の連携に関する協定書」を平成20年4月に締結し,京都市動物園に常駐する京都大学野生動物研究センターの教員と協働して,その研究や教育活動に取り組んでいます。
京都大学との連携による取組の第一弾として,類人猿舎の改修を行い,平成21年3月に京都大学の関連施設であるチンパンジー・サンクチュアリ・宇土(現:熊本サンクチュアリ)から4頭のチンパンジーを受入れ,チンパンジーの行動や知性の研究とともに,群れ飼育による繁殖にも取り組んできました。
(参考)チンパンジー(英名:Chimpanzee 学名:Pan troglodytes)
アフリカ中部の森で,複数のオスと複数のメスからなる群れをつくって生活。主な餌は植物で,果実を好むが,サルなどの小型の哺乳類を狩って食べることもある雑食性。
遺伝子の配列は人間と僅かな違いしかなく,ゴリラやボノボとともにヒト科に分類される。道具の使用や地域により独自の文化を持つなど多様な知性を持っている。
生息地の破壊,密猟,感染症などによりその数は減少し,国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定され,ワシントン条約の附属書Ⅰに掲載され国際取引が規制されている。