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2013年1月5日(土)ボルネオオランウータンの死亡について

    京都市動物園で飼育中のボルネオオランウータンが死亡しましたので,下記のとおりお知らせします。 

                                             記

1 死亡年月日   平成25年1月4日(金)
2 死   因    多臓器不全
3 死亡個体について
 ⑴ 名   前    ホップ
 ⑵ 性   別    オス                                                                                                                    ⑶   年   齢    32歳                                                                                                              ⑷ 出 生 日   昭和55年8月31日
  ⑸ 出 生 地   京都市動物園
  ⑹ そ の 他
ゴロー(オス)とルビー(メス)との間に第2子として誕生。繁殖を目的に千葉市動物公園から来園したキャンディー(メス)とペアリングしたが,産子には恵まれなかった
ホップの死亡により当園で飼育するボルネオオランウータンはいない状態となった。
4 経 過
平成24年12月23日(日)から食欲廃絶と活動性の低下が見られ,12月25日(火)に急速に衰弱が進んだため,麻酔をかけて検査を実施したところ,脱水症状と低体温症が認められた。  
点滴による投薬治療と加温し症状は改善したが,処置中に呼吸が停止し人工呼吸器で維持,自発呼吸は戻ったものの意識不明の状態となった。その後,入院室で点滴等による投薬治療を継続していたが,平成25年1月4日(金)午後5時3分に死亡を確認した。
 
(参考)ボルネオオランウータン                                                                          (霊長目ヒト科 英名:Bornean orangutan 学名:Pongo pygmaeus
国際自然保護連盟(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種として掲載され,ワシントン条約の付属書Ⅰ「絶滅のおそれのある種で取引により影響を受けるもの」に指定されている。
ボルネオ島とスマトラ島の熱帯多雨林に生息している。生息地により二亜種に分類されるが,形態,生態,分子系統学的解析から亜種を独立種とする考え方もある。
上肢が特に長く,樹上生活に適している。主にイチジクなどの果実や蔓植物の葉や樹皮などを食べる。雄は成熟すると頬の両側が張り出して大きくなる(フランジと呼ばれる)のが特徴で,顔を大きく見せる効果があるといわれている。また,のどには叫び声を出すときに大きく膨らませて共鳴させるのど袋がある。チンパンジーやゴリラの様な緊密な群れをつくらず,単独で行動するが,近隣の個体間で緩やかなつながりを持つといわれている。
国内で飼育されているのは11施設31頭(オス17頭,メス14頭)となった(平成25年1月4日現在)。
 
    
             ホップ