イベント

2017年08月28日 (月)
『動物福祉を考える@動物園』を開催しました

2017828日の17時半から19時半に図書館カフェにて,Do we need zoos? Challenges of zoos in future (動物園のこれからの課題)というイベントを開催しました。

こちらは京都大学霊長類学・ワイルドライフサイエンス(PWS)リーディング大学院との共催です(PWSのウェブサイトはこちら)。今回初めてとなる取組でしたが,インディアナポリス動物園から園長のロバート・シューメーカー氏をゲストに,参加者とともに動物園について多面的な視点からディスカッションする豪華な企画となりました。募集期間が短かったにもかかわらず,予定していた定員を超える24名の方にご参加いただきました。すべて英語でおこなわれ,参加者の半分が外国人で多国籍な会となりました。

Welfare session

この企画の英語版タイトルは人によっては少し厳しく聞こえるかもしれません。動物園に否定的に聞こえる人もいるかもしれません。しかしわたしたちが考えていたのは,一方的な見地からのディスカッションではありません。これからの動物園について考えるために,わたしたちは動物園が本当に必要なのか?という根本的な問いに立ち戻って,公平な立場から議論することを目的としていました。そのために,あえてこうしたタイトルにしています。今回の参加者も,動物園に対してポジティブな考えを持つ人も,ネガティブな考えを持つ人も両方混ざっていました。

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動物園は多くの野生動物を飼育しています。それぞれの動物が適応してきた野生環境と異なる環境で動物を飼うことになるので,そこには倫理的な問題がつきまといます。そのため,現代の動物園は野生動物たちを飼育する意義や動物福祉について真剣に考えなければなりません。わたしたち京都市動物園は,2013年に生き物・学び・研究センターを設立し,20176月より体制が強化されて5名のセクションとなりました。野生動物に関す研究を推進し,教育活動を展開することを目標とした当センターは日本の動物園の中では異色の存在です。

これから先,わたしたち動物園がどのような活動を展開して,ヒトや動物に貢献できるのか,そうしたことを考えるためのきっかけとなればと考えて開催しました。

 

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まずはZoo Revolutionという2013年に制作されたドキュメンタリービデオを鑑賞しました(こちらからどなたでも見ていただけます。英語です。)。こちらは現代の動物園がおこなう保全や教育,研究の取組さらに動物福祉にまつわる問題などについて,肯定的・否定的な視両方らまとめられたとてもわかりやすいドキュメンタリーです。

 

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その後,今回のゲストであるロバート・シューメーカー氏に,ご自身の経験をもとに『動物園は必要!』という立場から動物園のポジティブな側面をまとめた講演をしていただきました。現代の動物園が動物を一方的に搾取する存在ではないこと,多くの動物種が絶滅の危機に瀕する中で保全活動や教育の場として重要であることなどを,ゴールデンライオンタマリンなどの野生復帰の成功例や動物福祉に配慮された展示施設などの実例を交えて議論しました。

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次に,京都大学の大学院生のホスエ・アレハンドロ・パストラーナ氏から,逆に『動物園は本当に必要なのか?』という懐疑的な観点から,動物園にまつわるネガティブな側面をまとめた講演をしていただきました。ホスエさんは必ずしも自身が動物園に否定的な考え方を持っているわけではないのですが,今回の議論を進めるためにこうした立場からまとめてもらいました。動物園で展示するために今でも野生動物が捕獲されている例があること,動物にストレスを与えていることもあること,教育活動にはほとんど貢献できていないという議論があることなどさまざまな例があげられました。

 

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そして,ここまでの情報をもとに,参加者が2グループに分かれ,グループディスカッションをおこないました。それぞれのグループは,動物福祉・保全・教育・研究と書かれた4枚の紙から2つを選び,その2つのポイントから動物園がその役割を果たせているのか,今後どのようにするべきなのかということを話しあいました。

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25分のグループディスカッションではどちらのグループも結論は出ませんでしたが,肯定的な意見と否定的な意見は両グループともに半分半分くらいだったようです。短い時間ではありましたが,多国籍でかつ動物園に関する考えが異なる人たちの集まりなので,本当に多様な意見が出ていました。たとえば,ポジティブな意見としては野生では調べることが難しい側面を研究ができる利点や誰でもアクセスしうる教育の場としての利点などがあげられていました。一方でネガティブな意見としては,ドキュメンタリー映像などのほうが教育効果が高いという意見や,福祉的な配慮が足りていない場合が多く特に大型の動物種などにとってはより強いのではないかという意見もあげられていました。これから先の展開としては,すべての動物園は得られた収益の一部を必ず保全活動に送るべきだという意見や,種を今よりも集約して少数精鋭にするべきなどの意見もありました。

 

最後にロバート・シューメーカー氏と当動物園の田中センター長からコメントを得て,すべてのプログラムが終了しました。2時間の予定を少し超過しても,まだまだ議論はつきませんでした。

 

動物園でおこなうにはマニアックすぎるかと心配をしていましたが,活発な議論がおこなわれて有意義な会となりました。

これからもこうしたイベントを含め,さまざまな活動を発展させていきたいと思っています。

 

山梨 裕美(生き物・学び・研究センター 主席研究員)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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