飼育員ブログブログ

2015年8月28日(金)オープンを待っています。

久しぶりの獣医ブログ更新です。

 今回は,動物園の裏側の「検疫室」という場所の紹介です。

 「検疫」って何ですか?という方が大多数だと思いますので,簡単に説明します。

 検疫とは,外から持ち込まれた動物・植物・食品などが病原体などに侵されていないかをチェックすることです。海外からの物が行き来する空港や港などで主に行われています。動物園では,他の動物園水族館などからやってきた動物をそのまま動物舎には入れず,この検疫室で体調チェックや病気を持っていないかの検査をして,健康なことが確認されてから移動させています。

 検疫をしないと,その動物が病気を持っているのに見逃してしまったり,元からいる動物に病気をうつしてしまったりするからです。

 今ここには,まさに検疫中の動物が何頭かいます。

 その中の1頭がこちら。

 メスのホンシュウジカです。9月5日にオープンする「京都の森」での展示を心待ちにしています。

 ですが,この子はうんちの検査である糞便検査で寄生虫の卵が見つかってしまったので,ただいま薬を使って寄生虫を落としている最中です。

こちらが見つかってしまった寄生虫の卵です。

 薬の効果は表れていて,卵の数は減ってきています。卵が検出されなくなれば,晴れて検疫室から京都の森へお引越しできるわけです。

 みなさんの前に元気な姿をお見せできる日ももうすぐです!

 もうしばらくお待ちくださいね。

 ニシムラ