飼育員ブログブログ

2010年9月13日(月)From Gabon(フロム ガボン)

平成22年9月5日(日)~8日(水)まで,ガボン共和国科学技術開発省熱帯生態研究所から3名の研究員を受入れ,研修を実施しました。

京都市は平成20年4月から京都大学と連携(https://www5.city.kyoto.jp/zoo/wrc)し,京都大学野生動物研究センター及び動物園を中核として教育及び研究に取り組んでいます。

その中で,京都大学大学院理学研究科 山極教授が代表を務めておられるガボン共和国でのプロジェクト「野生生物と人間の共生を通じた熱帯林の生物多様性保全」(http://www.jst.go.jp/global/kadai/h2006_gabon.html)の取組において,当園のゴリラ飼育担当(長尾)が派遣(詳しくはブログを御覧下さいhttps://www5.city.kyoto.jp/zoo/enjoy/breeder-blog/diary/20100423-1996.html)されています。

そして,研究者たちが昨日から開催されている第23回国際霊長類学会への参加及び京都大学・京都府立大学・山口大学での研修のために来日されるにあたり,動物園での研修を実施することになったのです。

受入れに際して,研修の内容をどうするか?言葉(フランス語)はどうしようか?と不安でしたが,プロジェクトに参加しておられる京都大学・中部学院大学の方々の御協力を得て,無事に終えること出来てホッとしています。

さて,どんな研修を行ったかというと,まず,ガボン共和国には動物園がないということで,動物園の役割や来園者の楽しみ方などを説明しました。5日はシマウマとの「なかよしイベント」に参加してもらいましたが,餌をあげるというのは初めての体験ということでした。

その他にも,キリン・カバ・フラミンゴ・ライオンを説明させてもらいましたが,同時にガボン共和国での話も聞くことでき,とても刺激になりました。

翌日以降は,ゴリラの健康診断,チンパンジーやマンドリルの比較認知科学研究,ゴリラ・チンパンジーの飼育方法等を学んでいただきました。動物園における動物との関わり方にとても興味を持って学んでいただけたと思います。

今後も,さまざまな機会を活用して,動物園の飼育動物を通して野生動物の生息地や保全活動の状況を伝えていく「野生への窓」としての役割を進めていければと思います。
              研修・実習担当 わだせい