飼育員ブログブログ

2015年4月15日(水)ネコの日とマタタビ

https://www5.city.kyoto.jp/zoo/event/20150222-13872.html
いまさらながら,2月のイベントのお話をします。
ネコの日のイベントに,ご来園いただいたみなさまありがとうございました。

さて,その中の一つに「ネコにマタタビ大実験!!」という
1コーナーを作りました。
blog201504_02
(このつるがマタタビ。)

その結果は…。

ライオン=寝かけてやめる(もうちょっとでごろんとなりそうでした。)
ジャガー=無視!!
トラ=遊んだ。(=つまりは,ただの枝。)

ということでした。
実は,ライオンについては敬老の日に一度やったことがあり,
その時は明らかに反応していたのですが
(残念ながら写真がないのです)
今回反応しませんでした。

また,ジャガーについては,
現在飼育しているミワではなく,
グランデにあげたことがあり,
これも,実は明らかに反応がありました。

この結果の違いは何か…!?
ということでいろいろ調べてみました。

☆ライオン
調べてみると,ネコ科動物は
マタタビに含まれる「マタタビラクトン類」に反応するらしいです。
もしかすると,冬のマタタビでは,マタタビラクトン類の量が少なく,
ちょっとうっとりして,はっと我に返ったのかも…しれません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
(これはマタタビの効果ではなく,普通にうたた寝をしているクリス。)

☆ジャガー
季節で反応の違いがあったのは
ライオンと同じなのかもしれないですが,
ジャガーでは,さらに違いがありました。
blog201504_04
当時マタタビをあげたのは,以前飼育していたグランデ。
グランデは25才のおじいさん。
もちろん年齢的には,熟年すぎる年齢です。
一方,ミワは昨年生まれたばかりのピチピチの若者。

実は,そこが問題かもしれないのです。
マタタビではなく,イヌハッカの論文なのですが,
(*イヌハッカというのは,ハーブの一種で,マタタビと同じように
  ネコを興奮させる効果がある。)
その反応度合いには,
性成熟しているかどうかが大きく関わっているらしく,
性成熟していない個体では,あまり反応が見られない…らしいです。
(ちなみに,ジャガーの性成熟は2歳半~3歳です。)
ミワの今後の成長に期待かも…?しれないですね。
(引用論文:Species-characteristic responses to catnip by undomesticated felids
 

☆アムールトラ
さて,トラですが,先ほどの論文を紐解くと,
イヌハッカの反応には種ごとで違いがが見られたらしく,
トラはあまり反応が見られなかったんだそうな…。
なんでかは…わかりません。

てなわけで,長くなりましたが,
以上,マタタビとネコの日のまとめでした。
長々お付き合いありがとうございました。
    ライオンジャガーたまにアムールトラ担当 オカベコウタ