救護センターブログブログ
2020年10月24日(土)ホンドギツネ,放野を目指して(最終回)
前回までのお話
交通事故に遭い,寝たきり状態から徐々に回復してきたホンドギツネの源九郎。
ついには背丈よりも高いバリケードを乗り越えるまでになりました。
源九郎は急に目覚ましい回復を見せ,金網で囲われたケージから脱出しようと,色々と試みるようになりました。
腰板にしていたアクリル板を外そうと留め具の結束バンドを噛み切ったり,木の板をかじったり,穴を掘ったり。
とばっちりを受けたのはカエデとカシです。救護鳥が身を隠せるような木に育ってくれればと思っていたのに,日に日に枝を折られていきました。
そろそろ放野しないと,かえって源九郎にケガをさせてしまうかもしれません。
握りこぶしになっていた右前足がどうなっているか確かめにケージに入ると,走り回って逃げました。この足取りなら,もう放野してもいいのではと思いました。
獣医師と相談し,放野の手続きを取ることになり,あっさりと放野の日が決まりました。その時の私の心の声は「今日?! 今から?!」
源九郎との別れを惜しむ暇もないほど,慌ただしく準備を整え,京都府の担当職員さんに源九郎を託しました。
いざ,出発!
放野された源九郎は,山の奥へと駆けて行ったそうです。
救護された場所近くの山に放してもらったので土地勘はありますが,1か月も留守にしていたので,その間に縄張りを奪われたかもしれません。
たくましく生き抜いていってほしいと思います。頑張ってね,源九郎!
救護センター担当:吉川