救護センターブログブログ

2019年5月14日(火)差羽


救護センターで初めてサシバを見たときは
こんなふうにずっと口が開きっぱなしで
ペロンと出ている舌の先がカピカピに乾いていて
何か病気なのかと心配しました。
(水で濡らしたら元に戻りました (^。^)

左肩が下がっているものの骨折はなく
旋回して飛ぶこともできるので
広いケージで自主トレに励んでもらうことになりました。
しかし・・・


掃除のためにケージに入ると口を開け
エサを置きにケージに入ると口を開け
ちゃんと食べているかこっそり見に行って,目が合うと口を開け
口を開けていない写真を撮ろうとカメラを向けると口を開け
って口を開けてばっかりやん!


                       だって嫌やねん!

サシバは夏鳥です。
4月ごろに東南アジアから日本にやってきて,繁殖を終えると
9月中旬には帰っていきます。
秋の渡りの時には群れをつくり,
次々と上昇気流に乗って旋回しながら高度を上げ,鷹柱ができるほどです。
内陸部を通るルートでは,琵琶湖の東岸から淡路島方面へと抜けていくので
京都でも観察できますよ。

他にも渡りをするタカはいるので,さらには留鳥のトビもあちこちにいるので
空を飛んでいるタカの中からサシバを見分けるには,
いくつかポイントがあります。

まずは,指のように見える風切羽の数です。
翼指(よくし)と呼ばれ,サシバは5枚です。

サシバのあごの下は白く,真ん中に黒っぽい縦線が入っています。
尾羽は茶系のボーダー模様(横斑)です。

救護センターにいたサシバは,先日,放野することができました。
繁殖のために日本に渡ってきたのだから,
伴侶を見つけていてほしいですね。

                               救護センタースタッフ 吉川