特集記事Feature
自分のやりたいことと出会い
PROFILE
有限会社丸重屋
有限会社 丸重屋は、2000年に設立された企業です。
橋梁の調査、点検、非破壊検査を中心に現在の建築物を未来に残す取り組みを行っています。
個人事務所として社長が1人で始めたのがきっかけでスタートしました。そして、2003年に法人化し、東日本大震災を機に必要とされることが増え現在に至っています。
今回の取材では、技術部の男性(入社3年目のKさん)と技術部の女性(入社1年目のIさん)、さらには社長(Hさん)まで来てくださり、丸重屋で働く魅力についてお話を伺うことができました。
Iさん
就職活動はしていたものの自分がやりたいことが分かっていませんでしたね。うまくいかず落ち込むことも多くあり、そんなときに社長と出会いました。社長はすごくフレンドリーに私と会話をしてくださり、この会社なら自分の居場所を作ってくれる、作れると思い「入社したい」と思いました。
また、個人的に「橋の下を見ること」が好きで、橋梁点検という仕事内容にも強く興味を持っていたことも入社した理由の一つです。
Kさん
私も就職活動では、どこに行きたいかというものが明確になく、たくさんの苦労をしました。会社説明会の中で、きれいな青色の社旗とパンダに惹かれ、丸重屋の会社説明を聞きにいきました。その中で社長と接し、「この社長のもとだったら、失敗しながらでも仕事させてもらえるのかな」と思い入社を決めました。建設に関わったことのない不安がありましたが、問題なく働くことができています。
【業務内容・職場について教えてください】
①どういった職場か教えてください!
Kさん
4月、5月は受注の時期で閑散期となり、年末にかけて少しずつ仕事が多くなっていきます。12月から3月は休みがとりづらいですが、それ以外の月では自由に休みが取れるという印象です。
また丸重屋では、始めから経験者という人はほとんどいないのですが、入社してから半年間は研修や指導などをしてくれるので専門的な知識をつけることができます。
Iさん
残業もありますが、働いた時間はしっかり給与としてもらえます。自分で1日のノルマを決定し、仕事をしますが働きづめではなく、自身のタイミングで休憩をとれるのが良いところです。職場には休憩室があり、そこで気分を切り替えて改めて仕事に臨むことができます。
また、私は女性で現場にでていますが、重いものを運ぶ時などは気遣ってくださり、女性が働きやすい環境です。そして、分からないところがあれば気兼ねなく上司に聞くことができる職場でもあります。
②1日の仕事の流れを教えてください!
Kさん
社内での作業を行うときは、1日かけて報告書の作成をしています。出社後、進渉確認の簡単なミーティングを済ませ、現場班が持ち帰った資料を確認し、報告書を作成するという内容です。17時に改めて進渉確認をし、全体の工程に遅れがないよう調整を行います。
現場では、8時に橋梁に到着し、作業員(上司や中堅社員)と補助員に分かれます。作業員が橋梁の問題個所を指摘するので、補助員は内容をメモしたり、必要な道具を手渡したりすることが仕事内容です。12時ぐらいまでで橋梁の約3分の1を点検し終えますね。13時までに昼食を食べ、16時には橋梁1つの点検が終了です。その後、後片付けをし、17時には帰宅します。
Iさん
9時に出社してから、上司に任された仕事を行います。その後12時からお昼ご飯を食べ、13時から午後の仕事のはじまりです。15時くらいに自分のタイミングで少し休憩を取り、気分を切り替え18時まで仕事に集中し、18時で仕事を切り上げ退社という流れです。
また、同じ職場ばかりでなく、現場に長期で出張することもあるので、普段とは異なる流れで仕事を行う事もあり、仕事に飽きが来ないと思います。
③仕事のやりがいを教えてください!
Kさん
技術職としての専門知識を付けられることが1番のやりがいです。アマチュアではできない仕事に携われているという経験は自信にもつながります。またその知識や技術を全力で駆使して仕事を行えることも魅力です。
Iさん
全く知らない世界に飛び込んで仕事ができ、新たにたくさんのことが知れる事です。そして、上司が私の仕事の出来を褒めてくれることもやりがいとなっています。また、自分の意見を伝えたときに受け入れてもらえる環境もやりがいになります。
④学生時代にしていて役に立ったことを教えてください!
Kさん
メモを取る癖をつけておくと社会人になったとき、すごく楽だと思います。内容を忘れないだけでなく、記録を残すことで自分を守ることも出来るので意識してメモは取るべきですね。また、知らないことをこまめに調べることも重要です。知らないことを放っておくことは、自分を苦しめることになると思います。
Iさん
Excelを使用することが学生の頃から多く、今も役立っているように感じます。また、アルバイトなどを通しての、人との関わりなども今に生きていると感じます。
⑤入社してから成長したことを教えてください!
Kさん
まだできて新しい会社なので新しく始めることが多いため、「0から1をつくるノウハウ」を身につけられたように感じます。例えば、社内の新ルールを決めたいとき「0」の状態から、ネット等からいくつかサンプルを見つけ、会社に必要なもの不必要なものを見分け、テンプレートとして会社に「1」を残すという作業が行えるようになりました。
Iさん
毎回、しっかりとメモを取るようになりました。また、分からないこと放っておくという事をやめました。「今日分からなかったこと」をメモしておき、頻繁に聞くようにしています。
⑥就活を行う学生にメッセージをお願いします。
Kさん
私は働く職場環境が一番重要だと考えています。業種にだけとらわれ就職活動をするのではなく、その企業の職場環境も知るようにしてみてください。そのために職場体験なども積極的に参加すべきだと思います。
丸重屋では、就活生をサポートする環境も整えています。おそれずに体験に来てほしいなと思います。
それから就活状況を周りと比べないようにしてください。あせらず探し続ければ自分に合った企業は必ず見つかります。
Iさん
自分のやりたいことなど、見つからないことはたくさんあると思います。その中には、足を踏み入れないと分からないこともたくさんあるので、やったことのない事にチャレンジしてみてください。少しの興味を興味のままで終わらせず、踏み入れることで見えるものがたくさんあると思います。そこで出会った人たちの中に、この人と一緒に働きたいと思う人にも出会えると思います。私は社長と出会うことができました。
就職後は、不安なこともあると思いますが、社会人になった楽しみを想像しながら頑張ってみてください。
【丸重屋の社長(Hさん)にもお話を聞くことができました】
社長のHさん
以前は建設会社で、ものを作る仕事について勉強させてもらっていました。そこで知ったことが、「形あるものは必ずつぶれる」ということでした。しかし、橋など建設物を維持管理するシステムが当時はなく、その不自然さに疑問を持ち、非破壊検査として丸重屋を始めました。「地域のみんなの安心と安全を守るのが私たちの仕事だ」という精神のもと仕事に取り組んでいます。
①どういった職場か教えてください!
風通しの良い職場を理想にしています。チームワークが必要となる仕事であるため助け合いが必要になります。また、上司と部下の間で意見が交換できていれば仕事の効率も良くなり会社としても良い職場になると考えています。
②1日の仕事の流れを教えてください!
会社の業務よりも、外交をメインに行っています。いろんな学会や協会に参加し、技術力の向上や、会社の信用を得るための営業とも言えますね。常に新しいものを取り入れられるようにしています。そして、社長にしかできない役割を担うよう心がけています。
③仕事のやりがいを教えてください!
災害などが起こった時に、何も被害がなかったということがやりがいです。みんなが安全安心に過ごせることが何よりも嬉しいことです。また、会社のみんなと一緒に仕事が出来るのもやりがいの1つです。何かの縁があって丸重屋に就職した社員たちは同志であり、友達であり、家族です。そんな人たちが周りにいることは、やはりやりがいです。そして、自分の家族、子どもたちに誇れるお父さんでいることも、やりがいといえます。非破壊検査は縁の下の力持ちな仕事です。その仕事を子どもたちが理解し、尊敬してくれるのは嬉しいことです。
④学生時代にしていて役に立ったことを教えてください!
やっていなかったことが多くあり、やっておけば良かったと後悔の念があふれます。明確に役に立っているというものはないですが、後悔の気持ちを持っているおかげで「やっておけばよかった」と思うことを取り返すために、いま頑張ることができています。
⑤丸重屋を始めて成長したことを教えてください!
もともと短気な性格でしたが、社長という立場は無意識に相手のことを傷つけてしまうことがあると気づき、相手のことを考えてから物事を伝えるようになりました。怒らなければならないときは、会社のためではなく、その人のためにという気持ちを持って、怒るようにしています。くさい言い方ですが、愛があれば相手もわかってくれると思います。
⑥就活を行う学生にメッセージをお願いします!
就活で、学生の皆さんは自分をアピールしようと必死で、本当の自分にふたをしてしまい、うわべだけになってしまっていると感じます。出来る人をよそおっていても面接官はなんとなく気づくので、最初から本音で話した方が良いと思います。その中で自分をアピールする手段として、自分がこの会社に就職したときにどのような影響を与えられるのかなど、会社側に立った考えを伝えられれば、会社側も自分自身に興味を持ってくれます。そして、自分のやりたいことをしてください。やりたいことを続ける中で出会う人を大事にしていれば良い方向に進んでいけると思います。焦らずじっくり、回り道でもあきらめない限り出会いにも未来にも恵まれると思うので頑張ってください。
【会社の中を見学させていただきました】
丸重屋の見識が壁に貼られていました。土台として丸重屋に必要なことを、社員の間で共有するために、壁に貼られているのだと思います。
「みる」という言葉の意味の違いが、見識として分かりやすく分類されているのが印象的でした。
表彰状も飾られていました。社会から必要とされることを、自分の好きな仕事として行えているのが素敵だなと思いました。好きなことだからこそ、努力することができ、成果として残ることを行うことができているのだと感じます。
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