電源機器の専門メーカーで、みんなのより良い暮らしの手助けを目指す
サンエー電機株式会社
設計チーム 技術職
山本 涼太
舞鶴工業高等専門学校専攻科 電気電子システム工学コース卒業
京都には伝統ある企業やスタートアップなど、さまざまな魅力ある企業があります。そんな京都企業の「若手社員インタビュー」を特集しています。
第8回目は「サンエー電機株式会社」で働く山本さんにお話を聞きました。
私は学生時代に学生寮で生活してきました。高等専門学校は5年制であり専攻科も含めると 7 年にもなるため年齢の離れた人と関わる機会があり、寮での生活で人見知りが少しずつ改善していったと実感しています。また研究室に配属後は太陽電池の運用に関する研究を行っていました。湿度や温度、日射量などを計測し、気象との関係性を調べて発電量などの予測を研究するものでした。
指導教官や研究室の学生と協力して研究を進めていったことが、学生生活の中で最も楽しかったと感じています。
私の母校では進路指導の内容が非常に豊富であり、多くの先生方から進路について指導を受けることが出来ました。しかし就職活動はちょうど新型コロナウイルスの流行により面接などがWEB上で行われ始めた時期で、面接の練習だけでなく各種WEB面接で使用するツールの設定等が必要で非常に大変でした。多くの人の協力があったからこそ、自分の就職活動が進んでいったのだと思います。
私は中学生の頃から電気系の企業で働きたいという希望がありました。東日本大震災の後の節電が呼びかけられていた時期に自分も節電しようと意識して行動していました。その際にいかに周りに電気を利用する機器に溢れているかを実感し、電気の重要性を改めて認識しました。
そのため、高専に進学し電気分野について学んできました。当初は電力会社など電気そのものを運用する仕事に就きたいと考えていましたが、駅前のイルミネーション設置などの地域の方々と共同で行う実習を通じて、より身近な場所で使われるものの設計がしたいと思うようになりました。
一番多く目にするもので非常に重要でありながらも、あまり意識していなかった照明に興味を持ち、中でも研究室でのパワーエレクトロニクス分野の経験から電源に興味を持ち入社を決意しました。現在の仕事は回路の知識が重要なので、学生時代の学びが役に立っていると感じています。
私は主に、電源の性能評価の業務を行っています。また製造時などで発生した不具合の改善のために使用部品、基板及び電源回路そのものの変更といった業務も行っています。性能評価ではオシロスコープ*などの計測機器を用いて電源各部の電圧等に問題が無いかなどを調査します。入社当初は回路がどのような役割を持っているか理解できることがほとんどありませんでしたが、何度も評価試験を行い、先輩の方々のアドバイスを受ける中で徐々に回路への理解が深まっていきました。現在の部品・回路の変更には回路の知識が必須のため、これまで行ってきた業務が積み重なり現在の業務が行えているのだと思います。
業務の中で実際にお客様が使用される LED を使用して性能を評価する機会もあります。普段は電源基板かケースに入った状態しか見る機会がありませんが、そこで実際に運用する状態を見ることで「自分が評価・検討を行った基板がこのように世の中で使われるのか」と実感します。その際に自分の業務の重要性を再認識し、自分がその重要な内容に関わっているのだということが私のやりがいとなっています。
また、学生時代に学んでいた分野ではあるもののまだ慣れない部分もあり焦ってしまうことがありますが、上司が常に冷静に確実に進めて解決していく姿を見ているのでとても尊敬しています。
今後は、1からすべてを設計できる技術者に成長していきたいです。
*電圧や、電流の波形を測定するためのもの
これまで生活してきた場所は自動車が必須な地域であったため、京都のようにバス・鉄道など公共交通機関の豊富な環境は私にとって、一番魅力的に感じています。しかし京都は古くからの建物が数多くあり、都市とは正反対の雰囲気を持っています。その新しさとは反対の雰囲気が自分の育ってきた地域を思い出させてくれるのが、他の都市部とは異なる特徴だと思っています。私が学生の頃から寺社仏閣巡りを趣味だったということも、京都に住んで良かったと思う理由の一つです。
就職活動の際に、研究室の教授から「自分の行動の基礎や軸となることは何なのか」について考えるようアドバイスを受けたことが印象に残っています。「自分がしたいから」だけでは、何故したいのかということにブレが生じることがあります。そのため「自分の中心となるもの」を理解することで、そこから自分のしたいことが決定できると思います。そのことを認識することが出来れば、実際に入社後の業務においてのモチベーションに繋げることが出来ると思います。
就職活動においては不安なこともあると思いますが、気持ちを切り替えられるように気分転換できるものを見つけてください。大学の先生に相談することも大切だと思います。
山本さんご自身の行動の軸を「人の助けになるような、よりよく暮らしていくためのことがしたいと思っています。」と語ってくださったことがとても印象的でした。社会に欠かすことのできない電気に関わる技術者として、今後成長していかれる姿を応援しています!